事故や何かのはずみで頭部を強打してしまう事は誰にでも起こりうる事です。よく当たり所が悪いなどと言いますが、頭部を強打する事によって前向性健忘症という後遺症が残る事があるのをご存知ですか?これは単なる記憶障害とは言えない症状が多いのが特徴の健忘症です。

例えば前向性健忘症の症状の中には、一般的な健忘症の症状と同じように物忘れが激しくなるというのではありません。そういうのではなくて、脳に衝撃がかかったためにその後の記憶が難しくなるという症状が出るのです。例えば急に道がわからなくなるなどがそうです。

家を出る時には「本屋に行く」という目的があったのに、いざ家の外に出てみたらどこに行くのかわからなくなったとか、そこまでの道が頭から急に抜けてしまったといった症状が出るのが特徴です。それでいて事故の前の記憶はしっかりと残っているのも前向性健忘症の特徴なのです。

実際にこれと似た経験を家族がしているのでわかるのですが、本人は必死に自分の症状をなんとかしようと思うのですが、なかなか思うようにいかないためにイライラしたりします。もちろん周囲もイライラしてしまいます。これも前向性健忘症の症状の特徴なのです。

一番良いのは周囲の人がイライラせずに見守れる体制を取るという事です。中でも頭部の怪我が完全によくなっていない時は、発症後に記憶障害などの症状が出るので、前向性健忘症をしっかりと理解しながら患者さんを支えてあげるといいでしょう。

前向性健忘の症状が出たら

前向性健忘の症状の特徴は他の健忘症とは少し違って、前向性健忘になるきっかけの事故以前の記憶はしっかりとしているという事です。だったら問題ないじゃないかと思うかもしれませんが、前向性健忘は事故後の記憶障害になる症状なので、意外と大変な事なのです。

患者さんも、過去の記憶がなくなっていないので、自分に対してとてもイライラしたり不安になったりするのも前向性健忘の症状の特徴です。周囲がそんな患者さんの事を気遣っても、患者本人はイライラしてあたったりする事もあるので、周囲もだんだん苛立ったりするのも特徴かもしれません。

前向性健忘の症状の中でも特に珍しいなと思うのは、自分がどこの誰で今までどうやって暮らしてきたのかなど、自分のことを全て忘れてしまっている事もあるのだそうです。でも他の事は全て覚えているなんて事もあるので、これも患者さんとしては怖いと思う症状かもしれません。

事故後の生活の中でも同じような事が起こります。さっきまで覚えていた事を全て忘れてしまっていたりするのも前向性健忘の症状です。これらの症状は本人にも家族にとってもとても大変です。でもあまり無理をして治そうと焦っても意味がありません。

前向性健忘はある程度脳の機能が戻ってくれば自然に治る事もあるのだそうです。なので脳の機能が戻ってくるまでの間に、強いストレスを受け続けないようなサポートをしてあげるのが一番重要な治療かもしれません。